☆成長の段階の説明☆
エニアグラムには、意識の段階があり、段階1で最も自由で柔軟な状態であり、自我から解放された状態です。それが段階が下がるにつれ自由がなくなり、執着や偏見、自我の防衛などが強くなっていきます。そして段階9で一番不自由になり、自己崩壊が起こります。
健全の段階
健全の段階にいる人は、その文化の大半の人から、極めてバランスが良く、成熟していて、能力が高いとみなされます。ただし、段階2,3においてでさえ、その人はある程度自我から機能し、『根元的欲求』と恐れ』を埋め合わせています。
また大抵の人が、この段階で機能することがどのようなことなのかを、体験したことはありますが、周囲の環境や文化、そして家族は、一般的には、この健全の開かれた心の状態をサポートをしてはくれません。従って、この段階の自由を長く維持できるものはごくわずかです。多くの場合は『恐れ』が湧き、『通常の段階』に堕ちてしまいます。
『健全』であり続けるためには、意識的にそうあろうとすることが必要です。そしてその為には、意識的に『いま、ここ』に存在し、目覚める必要があります。
段階1 解放の段階
そのタイプのまさに最も健全の段階であって、心理面で調和がとれた状態であり、自由で、そのタイプの特別な霊的能力や長所、美徳が現れます。そのタイプの理想的な状態であり、タイプの本質的な性質を映し出します。
それから、段階1の解放の段階では、自分の『根元的欲求』を達成します。
段階2 心理的受容の段階
人が『根元的恐れ』に負けると、それを埋め合わせるために、この段階で、『根元的欲求』が生まれます。
その結果、人はまだ健全ではありますが、根元的恐れによって、生み出された不安に対応して、自我と自我の防衛が発達し始めます。その人の自己感覚が姿を見せ始めます。『副次的恐れ』はこの段階から現れます。
『副次的欲求』は誰もが持つ心理的な必要であって、それに正しく基づいて行動すれば、自己感覚と認識様式は、必要とするものをもたらし、自己を超越するためのカギとなります。
段階3 社会的価値の段階
『副次的恐れ』と『根元的欲求』に負けると、それに対応して、自我は一層活動的になり、社会・対人的な性質を備えた性格としてのペルソナ(社会的仮面)を生み出します。その人はまだ健全ですが、健全さの度合いはさらに低くなっています。
この段階では、各タイプの自我は、段階2(心理的受容の段階)で自覚した、自己像の肯定的イメージの性質を実際に持っていることを自分自身にも、他者にも証明するために社会に向けて行動していきます。
‥‥‥‥‥‥‥‥ ショックポイント(大きな隔たり) ‥‥‥‥‥‥‥‥
段階3(健全)と、段階4(通常)の間にはショックポイントと呼ばれる大きな境界があります。健全の状態から通常の状態に人のベースラインの段階が下がることは余程の心理的ダメージを受けない限り、下がりません。(気分は下がります。※ベースラインと気分は違います)。
また、通常の段階から健全の段階へのベースラインの上昇はかなりの本人の努力を要します。つまり、各タイプの『副次的恐れ』『副次的欲求』により、つくりあげた思い込みや防衛機制(投影や責任転嫁、逃避など)の自分を守るために行っている癖のパターンの自動反応に気づき、手放していくことが必要です。
そのワーク(取り組み)は、かなりの恐怖を伴います。それは自分を守っている全てを失っていくような恐怖です。実際に自分を守ってくれていると思い込んでいる、自我の防衛機制から外れていく行為ですから、その恐れを当然感じるのですが・・・
一般に今現在の社会は、この通常の段階にあると言われています。ですから、その社会に適応しながら育つ私たちや、私たちの両親やまわりの人たちの殆どが、この『通常の段階』にいると言われています。物心つくころには、すでに通常の段階が自分のベースという状態になってしまっているようです。
段階3(健全)と段階4(通常)の間には、警笛のような感覚が存在します。それは『固有の誘惑(目覚めの注意信号)』と呼ばれるものです。
固有の誘惑 (目覚めの注意信号)
『目覚めの注意信号』は、通常の段階へとさらなる眠りに深く入って行く前に目覚めることへの誘いです。それは、私たちが「健全の段階」から、より固着化した「通常の段階」に、陥りつつあることを教えています。つまりそれぞれのタイプが、不健全の状態へ陥っていく下向きの螺旋を、始動させる考え方や行動をし始めたことを教えているのです。
☆各タイプの『固有の誘惑』は、次の機会にUPしますね。
通常の段階
通常の段階では、自分の性格タイプの特定の対応メカニズム(社会的役割)にかなり依存するようになります。そして、そうしたメカニズムを通して、『根元的欲求』を達成することにかなり執着するようになります。
『社会的役割』にいったんはまり込んでしまうと、不適切な戦略を通じて、様々な方法で自分の「根元的欲求」に応じるように他の人を操作しようとします。失敗したり、問題を抱えた対人関係の多くは、このメカニズムによってもたらされます。
☆各タイプが「他者をどう操作するか」も、次の機会にUPしたいと思います。
段階4 不均衡の段階(アンバランス)
『固有の誘惑』に負けることによって、自我は膨張し、防衛は強まり、不均衡が引き起こされます。この段階は、その人の心理的行き詰まりへの転落が特徴です。もしそれに抵抗しなければ、精神内部の葛藤と人間関係の葛藤(問題)を生み出し、それはますます強まっていきます。その人は、『特定の社会的な役割』と強く一体化するし、それからはその役割を守らねばならないという観念に陥ります。
段階5 対人関係支配の段階(対人関係のコントロール)
特定のやり方で、環境(特に他の人々)を支配しようとするうちに、自我が著しく膨張します。この段階では、その人は他者に自分を受け入れさせ、自己像を強化し、自我の必要を満足させなければならないと感じます。防衛機制が働いて人間関係の葛藤(問題)と精神内部の葛藤(問題)を引き起こし、防衛が失敗すると、不安はさらに増大します。
この段階より下の特性は、より自己本位で、防衛的で、矛盾したものになるので、この段階は、各タイプの堕落の転回点です。
段階6 過補償の段階
葛藤と不安を過補償し始めます。その葛藤と不安は、自我の膨張が増大したことにより、もたらされただけでなく、段階5での、「自分が欲したものを自分に与える」という行為が失敗したことによりもたらされたものです。各タイプの特有の自己中心性が現れ、過補償された極端な形の振る舞いが現れます。普通その振る舞いは、他の人から見ると「非常に礼節を欠いたもの」に映ります。自我の膨張を支えるために、自己中心性をそのまま行動に表すので、まわりとの軋轢や問題が頻発します。
『通常の段階』と『不健全の段階』も大きな隔たりがあり、余程の心理的、精神的危機にならなければ、ベースラインは移行しません。(『気分』は上下します。気分は3段階を上下します)
『通常の段階』と『不健全の段階』の境界には、『警告信号となる恐れ』が発生します。その恐れが次に出る『鉛の法則』の行為の原動力となります。
『警告信号となる恐れ』
人がこの『警告信号となる恐れ』にショックを受けて目覚めるなら、現在の危機に陥らせる行動や態度を止めることができるかもしれません。しかし警告信号に注意することができなかったり、そうする意欲がないと、自己敗北的な態度や行動に固執してしまうかもしれません。そうなると、まず間違いなく、急速な破滅的な状態に陥ってしまいます。
☆各タイプの警告信号となる恐れも、次の機会にUPようとおもっています。
『鉛の法則』
通常と不健全の境界で生じる特徴です。この段階での行動は、『自分が最もしてほしくないと恐れることを、人にします』
自我と自我のシナリオを支えてくれるような働きかけを間違った方法(戦略)によって自分のニーズを満たすことができないと、作戦を強化し始めます。自己敗北的な行動を止めるよりも、無意識に、より積極的にそうした行動をとる傾向があります。この段階では、人に「自我のシナリオをサポートさせようとする」に留まらず、『押しつけます』不安を行動化し、裏に表に、『根元的欲求』を激しく追及します。
また『鉛の法則』は各タイプが自我を補強するために、他の人々を傷つける独自の方法を行動化します。「もし私が、相手を1ランク下げたら、私が1ランク上がることになる」という偽りの信念があるためです。その為、各タイプは、自らの『根元的恐れ』を人に植え付け始めます。
☆各タイプの『鉛の法則』も、次の機会にUPしますね。
‥‥‥‥‥‥‥‥ ショックポイント(大きな隔たり) ‥‥‥‥‥‥‥‥
不健全の段階
不健全に陥ってしまうと、本質とのつながりを失い、自動的反応と幻想の迷路にとらわれ、コントロールを失ってしまします。強まる恐怖や葛藤、そして直面するいかなる実際的な問題に対しても、解決を見出すことができなくなります。そうなるとより強く反応し、周囲に対し、自分の代わりに問題の解決を図るよう、更なるプレッシャーをかけることしかできなくなります。あまりにも限定されたメカニズムに同一化するため、他の解決方法が思い浮かばないのです。
段階7 侵害の段階
この段階になると、深刻な反応が起きます。どのタイプも生き残りのためにそれぞれ異なった戦術を行使します。それは「不健全な自己防衛」であり、自我(今やとてつもなく増大した不安に苦しんでいる)を支えようと必死に努力する中から出てきます。この反応は自己の尊厳や他者の尊厳を侵害し、人間関係に深刻な葛藤を生み出します。
この段階は、病的とはいかなくても、ひどく神経症的です。環境からくる極端なストレス要因や、幼児期に受けたひどく根深い虐待などに対する反応が現れます。
段階8 妄想的思考と衝動強迫の段階
不安が増大するにつれ、非常に深刻な精神内部の葛藤が生まれ、その人は、不安に屈服するよりも、現実をつくり変えることを試みます。思考と近く、感情と行為の全てがひどく歪んで、自由でなくなります。したがってこれは完全に神経疾患状態です。その人は、現実との接触を失い始めます。その失いこ方は、タイプによって異なります。
段階9 病理的崩壊の段階
これは最終的の精神的疾患状態です。あからさまな崩壊的振る舞いが表に出ます。妄想に駆られて現実との接触を失い、その人は、自己や他者を自ら進んで破壊しようとするようになります。そうすることで、自我の構造を守り、さらなる不安や脅威から自我を守るために生まれた妄想を、どんなことあっても守ろうとします。直接的・間接的または、意識的・無意識的な様々な形の破壊性が表れ、最後には深刻な神経衰弱・暴力、あるいは死に至ります。
ここまでの長~い完読 ありがとうございます
お疲れ様でした
Posted by にし at
◆2009年01月09日11:02
│成長の段階